各専修課程紹介
共生構想専修課程
Studies in Inclusive Society Planning
違いを認め合い、ともに生きる力を育てる ── 共生社会の未来をつくる担い手に
「共生」とは、年齢、性別、国籍、人種、民族、文化、宗教、障がいなど、多様な背景をもつ人々が、互いの違いを認め合い、誰一人排除されることなく、ともに生きることを意味します。こうした共生社会の実現は、これからの社会にとってますます重要な課題です。共生構想専修課程は、この実現に向けて必要な構想力と行動力を育むことを目指します。
本専修は、次の二つの学問領域を柱としています。一つは、人の心と行動のしくみを科学的に解き明かす「心理学」。もう一つは、社会や文化の中で形づくられてきた性別役割や規範について多角的に問い直す「ジェンダー研究」です。これら二つの学問を深く学び、身につけた専門的な知識やスキルを生かして、多様な人々がともに生きる持続可能な共生社会を構想し、現実の場で行動できる力を備えた人材を育成します。
教育の特色とカリキュラム
本専修課程では、心理学を通じて人間の心の働きや行動のメカニズムを科学的に理解し、他者との関係性や社会的行動を深く考察するための知識やスキルを学びます。また、ジェンダー研究を通して性別に関する社会的・文化的な規範や役割を多角的に問い直し、固定観念にとらわれない視点を養います。この二つの領域を関連付けながら学ぶことで、共生社会をつくる担い手となるための力を身につけます。
まず、入門科目において基礎的な視点や概念を理解し、専門科目でより深い知識や理論を学修します。また、実習・研究法の科目では人間の多様性や他者との共生における諸問題を探究する視点や研究方法を修得し、さらに演習科目において理論だけでなく、フィールドワークや実験・調査などを通じて学び、卒業論文を完成させます。本専修課程で培った自らの課題を発見する力、課題解決に向けて多面的・理論的に考え実行する力、自身の考えを的確に相手に伝える力は、将来、さまざまな分野で活躍するための確かな礎を築きます。
専攻紹介
人と人の間を、科学でつなぐ
心理学専攻では、人間の心の働きと行動のしくみを、科学的な手法に基づいて実証的に探究します。個人の認知、感情、動機づけから、対人関係、集団の中でのふるまい、社会的な理解のあり方に至るまで、さまざまな心理現象を対象とし、実験や調査、観察、統計解析を通じて体系的に学びます。
特に、偏見や差別、社会的な排除といった現代の重要な課題を、認知心理学や社会心理学の知見を総合しながら、心理学的な視点から分析・解明していきます。学びを通じて、心理学の理論的な枠組みや研究の方法を身につけ、実証データを読み解き、批判的に考察する力を養います。こうした力は、人間理解に根ざした共生社会を構想するうえで欠かせないものであり、科学的な知識と実践的なリテラシーを兼ね備えた人材の育成を目指します。
■ 開講予定の授業・演習ピックアップ
心理測定法概論 ◎ 萩生田伸子 教授
科学的アプローチによる心理的問いの探究
この授業では、心理学における研究の基本的な考え方と方法論を学びます。実験法、調査法を中心とした研究手法を取り上げ、それぞれの特徴や適用場面、倫理的配慮について理解を深めます。研究課題の設定から仮説の構築、データ収集、分析、報告までの一連の流れを体系的に学び、心理学的問いに対して科学的にアプローチする力を養います。演習では、簡単な研究計画の立案や、既存研究の批判的検討も行い、実践的な研究スキルの基礎を身につけます。
認知心理学系実験のイメージ画像.「赤い円」と似ているのは「赤い四角」と「青い円」のどちらだろうか?対象の似ている/似ていないを人間はどのように判断しているのだろうか?
その他の開講予定の授業・演習ピックアップ
心理データ分析実習
萩生田伸子
心理学研究で得られる多様なデータを対象に、統計的手法を用いた分析実習を行います。実際の調査データや公開データを用い、研究計画から分析、報告までの一連の流れを体験します。
行動科学演習Ⅳ(もの作りと心理学)
萩生田伸子
手工芸の創作活動が情動調整や心理的安定に与える影響を体験的に理解することをめざします。芸術心理学や芸術療法の理論を参照しながら、実際の制作過程における集中・達成感・安心感などの情緒的変化を観察・記録し、自己理解と行動科学的視点を深めることを目的とします。
性別をめぐる固定観念を問い直す
「ジェンダー」とは、性別による違いを生まれつき備わっている人間の本質ではなく、社会的・文化的に期待される役割や規範によってつくられたものととらえる概念です。ジェンダー研究専攻では、こうしたジェンダーに関わる役割や規範が社会的・文化的にどのように構築され、いかなる差別や偏見や不平等の源泉となっているのかを解明することで、誰もが排除されず幸福に生きていける共生社会の実現を目指します。ジェンダーに関する理論や思想や歴史を学修し、政治、経済、教育、文化などさまざまな領域における具体的なジェンダー課題を探究することで、私たちの日常生活や社会全体の仕組みを規定している「あたりまえ」を根本的に問い直し、共生社会を構想するための知識と理解を深めます。
■ 開講予定の授業・演習ピックアップ
ジェンダー文化論特論Ⅰ(講義・特論) ◎ 北田佳子 教授
国内外の取り組みからジェンダーの固定観念を問い直す。
「女らしさ」や「男らしさ」といったジェンダー規範や期待される役割は、家庭や学校、地域社会など、私たちの日常生活の中で少しずつ形づくられていきます。こうした考え方が世代を超えて受け継がれることで、固定観念や差別につながり、人々の生き方を制限したり、生きづらさの原因になることがあります。
この授業では、まず世界のさまざまな国の事例を取り上げ、それぞれの文化的背景などをふまえながら、ジェンダーに関する固定観念や差別をなくすために、どのような取り組みが行われてきたのかを学びます。
そのうえで、諸外国の事例と比較しながら、日本におけるジェンダー規範や期待される役割などについて批判的に考察します。そして、性別に関係なく、すべての人が自分らしく幸せに暮らせる社会の実現に向けた取り組みについて考える視点を養います。
メキシコのショッピングモールに並ぶ「キンセアニェーラ」(女の子の15歳の誕生日)用の豪華なドレス。かつての結婚適齢期を祝う女の子の成人式のような伝統のなごり。
その他の開講予定の授業・演習ピックアップ
ジェンダー・スタディーズ入門
北田佳子
ジェンダーに関する理論や思想や歴史の基礎的な知識を学び、ジェンダー研究の基盤となる視点を養います。
ジェンダーの歴史
ジェンダーに関する歴史的展開を概説し、現代のジェンダー課題の背景を理解します。
ジェンダーと社会
社会の仕組みと多様なジェンダー課題との関係を探究する基礎的な理論を学び、具体的な事象を検討します。

埼玉大学教養学部
Faculty of Liberal Arts
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