学部概要

学部長からのメッセージ

Dean’s Message


「うち」と「そと」をつらぬくリベラルアーツを構築する。

 中世ヨーロッパに起源を持つリベラルアーツは、イギリスそしてアメリカでそれぞれ発展し、大学の学びの形としてグローバルに展開してきました。埼玉大学の教養学部もその流れを汲む学部だと言えるでしょう。
 埼玉大学教養学部の「教養」は、自ら問いを形成し、その問いに答えるなかで育まれます。入学後、学生は、語学、歴史学、哲学、文学、社会学、地理学、人類学、芸術論、国際関係論、地域研究などさまざまな学問を自在に学び、自らの興味関心に向き合いつつ、専修を選択します。
 縦横無尽な学びを継続すると同時に、所属専修では専門講義や演習科目を履修し、講読、発表、討論のなかで問いを磨き上げます。4年次には、その問いに学術的に答える卒業論文を完成させます。こうした学びの実現を可能にするのは、伝統的な少人数教育だけではありません。各分野で活躍する教員の研究室と学生研究室が向かい合う学び舎も、学部一体となっての「教養」の修得を促進してくれる重要な舞台装置です。
 さて、私たちは「教養」を育む環境のアップデートを絶えず行ってきました。留学プログラムがその例です。専門に捕らわれない教養学部の建て付けは、長期留学に適しています。私たちの学部は、海外協定校を開拓し、長期留学に多くの学生を送り出すなど、グローバル関連プログラムの充実を図ってきましたが、これからも推進していきます。
 そして令和8年度には、入学定員を40名増やすとともに「共生構想専修課程」を新設し、学びの幅を広げます。「心理学」と「ジェンダー研究」の二専攻から成る同専修は、これまでしばらく「そと」、すなわち世界へのひろがりを意識していた教養学部が、私たち自身や社会、つまり、「うち」についての考察を深めることを可能にしてくれるでしょう。
 単一の学問分野に固執するのではない、「ひろい」学びが教養学部の特徴です。それぞれの学問分野の特異性や類似性を把握し、急速に変化する時代に必要な知の枠組みとはなにか考え、様々な人びとと共有できる人材育成こそ埼大教養の目標にほかなりません。
 60年間、私たちは私たち独自のリベラルアーツを紡いできました。
 これまでも、そしてこれからも、埼大教養の紡ぎ手は学生のみなさんです。
 新たな紡ぎ手とお会いできるのを楽しみにております。

埼玉大学教養学部長    宮田  伊知郎

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